インターネットの発達であちこちでパラダイムシフトが起こっている。通訳会社や通訳者も例外という訳にはいかないだろう。
今までは、通訳者が通訳を必要とする場所まで出向いていって通訳を行うスタイルが普通だったが、これからはインターネット経由で遠隔地で通訳するスタイルが増えてくるだろう。
日常生活レベルの簡単な通訳であれば固定電話や携帯などでも出来る。 現に、そのような電話を使った通訳サービスを提供している会社も存在する。 しかし、会社間のテレコンなど日常生活レベル以上の通訳の場合、電話による通訳は、パワーポイントによるプレゼンテーション画面を使いながら行う会議などには不向きである。
それに、そもそも電話というのは音声帯域が狭い上、講演者(スピーカ)の顔の表情、身振り手振りと言ったボディーランゲージ情報が入ってこないため不完全で、神経を使う通訳には向いていない。
そこでブロードバンドを使った通訳サービスの登場となる。 日本ではどうか定かではないが、海外では、この形態の通訳サービスも既に実用化されている。
ただ、まだ一般化されているとは言い難い。 画像圧縮などの処理で僅かながら伝送系に遅れが生じるので、ただでさえスピードが求められる同時通訳などには向いていないし、画質などのクオリティーの問題もある。一般的な機材ではここら辺の問題をクリアするのが難しく、専用機材を開発しなければならないが、それには、相応の時間と費用が必要だ。
但し、技術が進歩すると、そのような機材のコストも下がり気軽に使えるようになるものと予想される。
遠隔通訳の時代になるとどうなるか?
通訳が気軽に使えるようになることからスポット的な通訳が増えるであろう。 究極的には必要な時に通訳者をインターネットと呼び出して通訳サービスを受けるというスタイルだ。
事前の準備や講演者(スピーカ)とのミーティングもインターネットを使って完璧に行うのだ。
通訳者は通訳会場などに出向かなくて良くなるので時間がセーブできる。それに伴って通訳者の移動に伴う人件費や交通費が削減できる。同時通訳の場合だと同時通訳ブースを会場側がかかえる必要が無くなる。通訳者は近くの通訳スタジオに詰めて仕事をすることになるだろう。そうすると、会場側は、同時通訳ブースにかかる様々なコストが削減できる訳だ。今まで同時通訳ブースを持っていなかった会場でも同時通訳が手軽に行えるようになるので同時通訳会場の選択肢が広がる。(但し、かなり高信頼性の設備と回線が必要となるので、コストメリットの観点から通訳者が移動した方が安上がりなので当面は実現しないだろう)
旅行好きな通訳者にとっては、旅行の楽しみを奪う悲しい技術革新かもしれない。 あと、通訳が気軽に使えるようになるということは、もしかしたら、キャンセル料にも影響を及ぼすかもしれない。
今までであれば、通訳者は、予定していた通訳業務がキャンセルになると通訳日までの日数に応じてキャンセル料が支払われるケースが多かったのだが、スポット(更に言えばアドホック)を前提とした通訳であれば、必要な時に通訳を使うという概念なので、そもそもキャンセルというものが無いに等しい。
通訳者が摩耗品となる構図だ。
さて、そのような遠隔通訳であるが、福岡で通訳会社を展開する弊社にとっては、追い風になるものと考えている。 福岡は低いコストで高品質な通訳が行えるベースが出来ているからだ。
やがて、日本中の通訳者が福岡を目指すよう、福岡を通訳の一大拠点とするのが弊社の夢である。 翻訳会社ソリュテック 田吹 (たぶき)
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